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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. ヒブワクチンの詳細
 

ヒブワクチンの詳細

ワクチン自体は、フランスのパスツール研究所(細菌学の祖の一人パスツールを記念して設立)で、既に25年程前に開発されました(1986年)。

 

開発とほぼ同時にフランスとドイツで運用が開始され、その翌年には米国、さらには、英国をはじめとする欧州各国も相次いで直ちに導入し、その結果、僅か数年で細菌性髄膜炎の発生が、欧米各国で100分の1以下に激減したのです。

 

従って、欧米では、細菌性髄膜炎は既に過去の病気であり、通常の臨床医が経験することすらない疾患となりました。

 

米国から東京大学に研修に来た若い米国人医師が、入院中の細菌性髄膜炎の患者を診て、「信じられない!私は開発途上国に来てしまったのか!この様な病気がまだ先進国に存在するはずがない!」と驚愕したという、笑い話のような話が実際に起こっています。

 

ちなみに、私は医師になってから30数人の細菌性髄膜炎の患者の主治医、又は、最初の診断や担当医の指導医として関わったりしました。

 

WHOの疫学的調査、「ワクチンにて予防可能な疾患(Vaccine Preventable Disease (VPD))による15歳未満児の死亡(2000年)」によりますと、上位から麻疹(はしか):約78万人、ヒブ感染症:約46万人、百日咳:約30万人、新生児破傷風:約19万人(以下省略)の順となっており、ヒブ感染症(主として細菌性髄膜炎と急性喉頭蓋炎)は、第2位の位置を占めています。この調査結果は集計前から十分予測されていたものであり、何故なれば、調査結果の出る以前に、疾患の重要性、ワクチンの有効性や安全性を勘案した上で、WHOは世界各国に向けて、ヒブワクチンの接種の勧告(Strongly Recommended)を既に行っています(1998年)。

 

このWHOの勧告を真摯に捉えた世界各国は、先進欧米諸国に続き、21世紀初頭までに次々と、ヒブワクチンを導入し、定期接種化しました。2008年の時点で、同ワクチンは、世界100カ国以上で承認され、94カ国で定期接種化されていたのです。

 

ところが、日本でヒブワクチンが漸く導入されたのは、2008年12月になってからで、しかも、2011年の現在でも、未だに任意ワクチンの扱いという有様です。つまり、1998年のWHOの勧告を日本の厚労省は勿論、マスコミも完全に無視したのです。

 

つい最近まで、一般の日本国民は、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンの存在すら知らされていませんでした。

 

2008年の時点で顧みても、この時点でヒブワクチンを導入していない「先進国」と呼ばれる国は日本だけと言う、実に不名誉な記録を打ち立てています。また、東アジアだけで見ても、この時点で導入していなかったのは、何と日本と北朝鮮のみという体たらくなのです。

 

2011年3月のヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを巡る「風評被害」は別項で述べることにします。