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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. ワクチンの「副作用」?について
 

ワクチンの「副作用」?について

ワクチンの副反応について、是非述べておかねばなりません。

 

まず、マスコミ諸氏をはじめとした、一般の方は勿論、臨床医家の多くの方が口にする、「ワクチンの副作用」は、元々存在し得ない概念であるという正しい認識に改めて頂きたい。

何故ならば、作用(Effects)とは、生物の体内に意図的に投与した薬物(合成、非合成(動植物から抽出した場合)共に、治療を目的とした化学物質)が、目的とする臓器・組織において、治療効果を発揮した場合の事象を指し、一方の副作用(Side Effects)は、その薬物の標的臓器・組織においては勿論、それ以外の臓器・組織においても、本来の目的以外の起きてしまった効果・事象を指します。

 

これに対して、ワクチンの場合はどうして、副作用は存在しないのでしょうか。

 

ワクチンは、その成り立ちが薬物ではありません。

即ち、治療を目的とした化学物質ではなく、病原微生物の全て、または、その一部(最近では、子宮頚癌ワクチンの様に、微生物を似せて合成したものもあります)、または、それら病原微生物が産生する毒素からなる、いわば、生体に対して毒性を有した異物なのです。

 

従って、ワクチンを生体内に投与すると言うことは、それによる治療効果などは当然元々存在せず、生体内にとっては、ワクチンとは邪魔者にしか過ぎない異物なのです。

この邪魔者が生体内に侵入したことにより、生体は当然防衛反応を起こし、その邪魔者、即ち、ワクチンを排除しようとする反応(Reaction)が生じます。

 

これが、ワクチンに対する生体の免疫反応(Immunological Reaction)です。

 

この様にして、それぞれのワクチンが含む病原微生物に対しての生体の免疫、即ち、特異的な抗体を獲得させるのが、ワクチンの企図している反応(Reaction)です。そして、この企図した反応以外の生体にとって不都合な反応(発熱、発疹、アナフィラキシー反応等)を副反応(Side Reaction)と呼ぶのです。

以上のように、作用・副作用と反応・副反応とは、全く別個の概念であり、決して混同すべきものではありません。

 

この概念定義を、「何だそんなこと」と捉えていること自体が、そもそも、大多数の日本人の非科学的態度を端的に表しているものであり、この様な非科学的態度こそが、未だに年中行事の様に起こる、ワクチンに対する誤解や風評被害の根本原因となっていると考えられます。

 

例えば、「保育園で現在おたふくかぜ(ムンプス)が流行っているからムンプスワクチンを接種して欲しい」と言った類の依頼が、しょっちゅう当院にも舞い込みます。

この様な場合、私は、大概その依頼を断ります。

 

何故ならば、ワクチンは薬物ではない以上、この様な、現時点で、既にムンプスが潜伏してしまっている可能性が高い児にワクチンを接種しても無効だからです。

言い換えれば、ワクチンによって、ムンプスウイルス抗体を獲得するまでにムンプスを発病する危険性の方が高いからです。

つまり、マスコミ諸氏も含めて、ワクチンを未だに薬物と誤解しているから、この様な発想が生じるのです。

 

日本以外の諸外国の人々は、誰もワクチンを薬物とは考えていません。

ワクチンの副作用」と言う表現は、「ニワトリの臍の緒」と言っている様なものであり、発言者の知性・素養が疑われる恥ずかしい行為だからです。

 

この彼我の差は、一体どこから生じているのでしょうか。別項でまた述べることにします。