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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. 新生児一過性多呼吸と発達外来について

新生児一過性多呼吸と発達外来について

新生児一過性多呼吸は、新生児の肺中の水分(羊水)が、通常ならば出生後直ちに消失するはずなのに、そうならず残存するために生じる病態です。帝王切開で生まれた児に時々見られます。

一般的に軽症の病態であり、通常の酸素吸入のみで数時間から数日で回復します。

今回のご質問

先日生まれた赤ちゃんが、新生児一過性多呼吸症といわれてNICUに入院していました。この病気の場合、今後、発達の遅れが出たりしないのでしょうか?   20代・女性

 

お問い合せ有難うございます。

さて、お問い合せの件ですが、新生児一過性多呼吸(Transient Tachypnea of Newborn, TTN)とは、新生児の肺中の水分(羊水)が、通常ならば出生後直ちに消失するはずなのに、そうならず残存するために生じる病態です。
帝王切開で生まれた児に時々見られます。


しかし、一般的に軽症の病態であり、通常の酸素吸入のみで数時間から数日で回復し、その後、NICUで十分なケアを行えば、退院後の処置等は、特に必要ないと考えられています。
勿論、非常に稀なケースですが、経過中、脳への酸素循環不足を疑わせる様な所見(エコーやMRI等の検査上で)が見られた場合、しばらくは(生後1年くらいまで)経過観察の必要があります。しかし、TTNではその様な重大な問題となること自体、本当に極めて稀です。
実際、私自身、NICUで数十人のTTNベビーの主治医となりましたが、その後それらの子供達全員に、現在に至るまで、特に何の問題も起きていません。


この疾患と類似して、もっと重症な病気もあります。
1)新生児呼吸窮迫症候群(IRDS)
これは在胎33週未満でしかも低出生体重児(多くは1500g未満)の時に生じる病態で、殆どのケースが自発呼吸が出来ず、そのため気管内挿管をして人工呼吸管理となります。そして、IRDSベビーの数パーセントに、不幸にして、脳への酸素循環不足から、将来の発達障害が生じることがあります。但し、最近のどこのNICU施設も、この問題に対する取り組みは進んでおりますので、障害発生率は年々低下しています。