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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. アレルギー検査と皮膚炎について

アレルギー検査と皮膚炎について

血液検査の結果と継続的な皮膚症状には、因果関係はほとんどありません。

今回のご質問

はじめまして。
ネット検索で見つけてお問い合わせいたします。
生後90日目の息子ですが、アレルギー検査をしていただけますか?
皮内検査・血液検査(大人の場合、血液検査したときに数値がわかるもの)も併せてやっていただけるのでしょうか?
息子の頬が赤く、接触性皮膚炎ということでプロペトを塗っていますが、ひょっとしてアレルギー反応かも、という不安があります。(いとこの子供が生後5ヶ月くらいで大豆アレルギー反応が出たため)
お忙しいところ申し訳ありませんが回答お願いいたします。
30代女性

お問い合せ頂き有難うございます。
さて、お問い合せの皮内検査・血液検査の件ですが、皮内検査(パッチテスト)に関しては、当院では行っておりません。
血液検査(特異的IgE検査)は、勿論、行っております。
但し、文面を拝見していて、私としては、お子様に対して今すぐ検査を優先する ことを余りお勧めできません。


と申しますのも、現在、お子様は接触性皮膚炎?(診察してみないと、その診断が正しいかどうかは分かりませんし、同疾患名が正しい診断ならば、はっきり申し上げてプロペトはあまり効果を期待できません)との事ですが、アトピー性皮膚炎を含めて、皮膚疾患に対して血液検査を行う意義は、それほど重要ではありません。
なぜなら、食物によって皮膚炎を起こすと言う説が、一般は勿論、不勉強な医師 の間にも、まことしやかにまかり通っていますが、これは大きな誤解です。


例えば、重度の卵アレルギー患者が、卵を食した場合、どうなるでしょうか。 まず、数分から30分以内に、口元近くに発疹が出現し、その発疹が胸元から全身 に拡大し、さらに、呼吸困難症状を呈し、最悪の場合、窒息に至ります。 これらの一連の反応をアナフィラキシーショック反応と呼びます。
つまり、食物によるアレルギー反応は即時型、即ち、殆ど30分以内に現れるものであり、最悪の呼吸困難症状を呈した場合、その間の生命維持等を図り、乗り切ってしまうと、何事もなかったかのごとく消え去り、何の痕跡も残しません。つまり、卵アレルギーにより、直接的かつ継続的な皮膚炎などは起こらないのです。


言い換えますと、血液検査の結果と継続的な皮膚症状には、因果関係はほとんど無いのです。
但し、アトピー性皮膚炎の場合、同病を増悪させる因子として、種々の食物が関係することはあります。しかしながら、この場合も食物は直接的原因ではありません(直接的原因は遺伝子にあります。詳細は、「アレルギー性疾患について」や「オーダーメイド療法と遺伝子学的検査について」等をご覧下さい)。


また、いとこの方が大豆アレルギーとのことですが、その様な遺伝的素因は、上記の通り、あるいは、お子様もお持ちかもしれません。ただし、もうお分かりかと思いますが、大豆アレルギーが直接的に皮膚炎を来すこともありませんし、ましてや原因ではありません(増悪因子にはなりますが)。 私としては、離乳食を開始する5ヶ月以降に、一度、血液検査をされたら宜しいかと存じます。これは、食物アレルギーが重度であれば、上記の様に、アナフィラキシーショック反応を来すおそれがあり、それを予防するためであって、繰り返しますが、皮膚炎の原因検索とはあくまでも無関係です。
上記をご参考の上、受診いただければ幸いです。