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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. 発熱を繰り返す病気について

発熱を繰り返す病気について

症状が、一旦改善したものの、またすぐに再燃した場合、治療法がその疾病に対して適切でなかったのではと、まず我々医師は考えます。その様な場合、薬の種類や投薬方法(点滴等)を変更、あるいはおよび、追加する等の対策を施すのが常識的な治療方針の流れです。

今回のご質問

先月中頃から体調が悪い息子のことでご相談です。
先月中頃、発熱と嘔吐で受診、感染性胃腸炎と診断されました。
一度良くなりましたが、1週間後に再度発熱、病院を変えましたが、同じ診断でした。
その後良くなったと思っていると、また発熱。
今度は熱だけで、他の風邪症状や吐き気はないのです。
体力を回復するため、ということで柴胡桂枝湯を飲んでいます。
朝から夕方まではほぼ平熱で、夜になると38度を超える熱が出ます。
寝られないような時は座薬を使っていますが、解熱剤を使いすぎるのも良くないと知人から言われたりして、心配になっています。
もっと大きな病院に受診して精密検査を受けた方が良いのでしょうか。
30代女性

 

お問い合せの件ですが、お子様の年齢(年齢はかなり重要な要素です)もご教示頂けず、検査データのご呈示もなく、勿論、私自身が診察したわけでもありませんので、ごく限られた情報(貴方様からのお話)からだけでは、かなり強引な推論となってしまうことをご容赦下さい。
まず、最初に診察された先生が感染性胃腸炎と診断されたのは、当たらずとも遠からずといったところで、あながち間違いとは言えないでしょう。
即ち、発熱と嘔吐を主訴とした病気で、全年齢層において、日常的に遭遇する最も多い病気だからです。


しかし、その後、一旦改善したものの、またすぐに再燃した場合、治療法がその疾病に対して適切でなかったのではと、まず我々医師は考えます。
その様な場合、薬の種類や投薬方法(点滴等)を変更、あるいはおよび、追加する等の対策を施すのが常識的な治療方針の流れです。
しかし、その後は嘔吐等の胃腸症状はなかった(ですよね?)とのことですので、話は変わってきます。


私が少ない情報で考えた診断候補は下記のようになります。
1)扁桃炎及びアセトン血性嘔吐症
2)伝染性単核症
3)パルボウイルスB19(PVB19)感染症
4)後天性免疫不全症
5)白血病(悪性リンパ腫を含む)または膠原病


順にご説明します。扁桃炎は風邪と並んで小児が最も罹りやすい病気の一つで、原因は細菌が70%くらい、ウィルスが30%くらいを占めています。 即ち、口腔や鼻腔から侵入した微生物は、まず扁桃にぶつかり、そこで体内に侵入するのを阻止されます。その結果としての発熱を見るわけです。しかも、発熱は午前中は下がり夕方になると上がる、いわゆる緩張熱のパターンを取ります。
さらに、アセトン血性嘔吐症というのものは、3歳〜11歳程度の子供にしか見られない病気であり、突然の頻回嘔吐を特徴としています。 この嘔吐の原因は、簡単に言ってしまえば、エネルギー不足です。


即ち、体内で利用すべき糖分(グルコース)が、感染症や極度疲労等のために枯渇してしまい、やむを得ず体内の脂肪を分解してエネルギーを得ようとすることに起因しています。脂肪を分解するとアセトンという老廃物が産生され、これが蓄積してくると、嘔吐中枢を刺激して嘔吐します。嘔吐すれば、益々エネルギー不足に陥り、またしても脂肪を分解し...といった悪循環に陥った状態です。
但し、適切に水分(電解質を含む)、および、糖分を補給すれば速やかに症状は治まります。
従って、上記の(1)が、最初の病態ではなかったかと、私は推測します。
しかし、その後も緩張熱を繰り返しているならば、更に考えられるのは、まず、適切な抗生剤を使用していないため、扁桃炎が治りきっていないことが考えられます。この場合は、抗生剤を服用すれば解決(治癒)します。
一番単純に帰れば、以上で結論となります。


しかし、確率は少ないにしても(2)以降も考慮すべきでしょう。
特に、(2)と(3)は4歳〜12歳くらいの小児で、一般病院において、年間数例〜数十例程度は診られる病気です(その多くは外来通院で治療可能です)。
最後の(4)と(5)は、確率的に少ない病気であり、1〜3を否定して最後に残る選択肢です。
いずれにしても、これらの病気、即ち、(2)以降の病気は、それではないかと医師が疑い、検査をして初めて分かる病気です。
また、いずれの病気も、特殊な血液検査である程度まで分かります。


ただし、逆に、そんな病気が簡単に発生する(眼前の患者に発生している)わけがないと高をくくっている医師(例え、その医師が大学病院に所属していたとしても)は、到底それらを疑った血液検査を致しません(残念ながら)。
既に通常の血液検査を受けておられて、異常なしと言われていたとしても、決して安心は出来ません。


何故なら、通常の血液検査では、これらの疾患の多くは異常数値として現れず、従って、その存在を疑うことすら出来ないからです。
もし、当院にご来院できるならば、当院で血液検査を行い、その上で、必要ならば、私が責任をもって専門医をご紹介致します。