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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. 長期間続く夜間の咳について

長期間続く夜間の咳について

私が実際に診察してみないと結論は下せませんが、マイコプラズマ感染症を疑ってみる必要があります。

今回のご質問

こんにちは、6歳の息子のことでご相談があります。かれこれ3週間以上前から咳が出始め、1週間前には夜間にクループの発作が出てしまいました。
ずっと病院のほうにはかかり、お薬も飲んでいるのですが、夜間の激しい咳は一向に良くならず、親子共々熟睡することができず悩んでおります。
布団をアレルギー対応布団に替えてみようと思っています。
このような症状の場合、そちらの病院では一般的にどのような治療になりますか?
差支えがなければ教えてください。
30代女性

 

さて、お問い合せの件ですが、まず、お怒りにならない様に、お読み下さい。
3週間以上続く咳が、アレルギーによるものと断定しておられるようですが、果たして、そうお考えになった根拠は何なのでしょうか?
現在、受診されている医師の判断でしょうか?
だとしたら、何らかの検査的データとかを根拠にそう仰ったのでしょうか?
いずれも、根拠不明で、単なる推察(それが医師によるものだとしても)だとしたら、今一度、下記のような事をお考え下さい。


2008年11月現在、マイコプラズマ感染症(肺炎)が大流行しているのをご存じでしょうか?
この微生物は、細菌とウィルスの中間くらいの極めて小さな微生物で、ヒトからヒトへ容易に伝搬し、感染を引き起こします。
しかも、オリンピックの年に流行する傾向があることが、以前から知られていました(オリンピック肺炎という、あだ名があります)。
今回のオリンピックは隣国、北京で開催されたため、予想以上の流行状況を示しており、7月から11月末の現在に至るまで、猛烈な勢いで流行しています。
(注:ピークは9月〜11月上旬だったようです)


このマイコプラズマ肺炎は、一生の間繰り返して感染しますが、特に、乳児から小学校低学年くらいまでの間に、1回は必ず感染します(その後も生きている間感染を繰り返します)。
但し、感染した全員が肺炎になるわけではないのです。
即ち、風邪程度で終わる場合も結構多いのです。
従って、医師(小児科医も含む)ですら、しばしば、この疾患を「風邪」と診断してしまう事となるのです。


さらには、どうやら、マイコプラズマ感染症が大流行していることすら認識していない医師も、少なからず存在しているのが事実と言わざるを得ません。
現に、奇異なことに、京都の感染症発生動向調査(院内のご案内参照)においては、1回もマイコプラズマ感染症の名は、ランキングの中に出現すらしていません。
また、肺炎になっている、なっていないに拘わらず、症状として共通しているのは、頑迷かつ発作的な乾性の咳であり、しかも、特に、夜間完全に寝込んでから出現することが多いと言う特徴を有しています。


現在、街中で、激しい咳をしている人たち(子供から大人まで)をよく見かけるでしょう?
この人達の多くがマイコプラズマ感染症と見なして差し支えないでしょう。
一方、クループ症候群は、大昔はジフテリアの感染で発症すると知られていましたが、現在では、種々のウイルスや細菌(マイコプラズマ等も含む)等の感染によって引き起こされることが明らかになっています。
このマイコプラズマ感染症は、自然治癒もしますが、自然治癒するまでには、約2〜3ヶ月を要します。
一方、この疾患と医師が診断して適切な治療を施せば、数日で軽快し始め、1〜2週間で完全に治癒します。
しかしながら、医師が「風邪」と思い込み、同疾患と見なさなければ、例え抗生剤を含んだ処方を続けても、殆ど治療効果はありません(その結果、「この咳はアレルギーによるものではないか」と思い込むのは、医師でもあり得ることです)。


以上に述べたようなことを考慮すれば、お子様の症状は、マイコプラズマ感染症によるものと考えられないでしょうか?
受診されている医師がその可能性を既に考慮されているかどうか、今一度確認される方が先決だと私は考えます。
確認が難しく(そんなもの違うと頭ごなしに決めつける医師も、残念ながら少なからず存在します)、らちが明かないならば、当院に受診して下さい。
いずれにしましても、私が実際に診察してみないと結論は下せません。
以上ご参考までに。