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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. インフルエンザ予防接種と副反応について2

インフルエンザ予防接種と副反応について2

ワクチン接種後、常に接種部位が腫れるのは、接種されたインフルエンザワクチンに対して、正当に体が反応して、抗体が産生されていた証です。

但し、腫れが広範囲(肘より末梢、あるいは、肩を越えて体に及ぶ)に及ぶ場合は、注意が必要です。

今回のご質問

先日6歳の娘がインフルエンザの予防接種を受けました。
娘は3歳の時接種して、その日に発熱、4歳の時は翌日、接種した方の腕が腫れ上がりました。
かかりつけ医に相談したところ、接種後湿布薬を貼り、入浴を控えれば大丈夫だと言われましたが、今回も少し腫れて熱を持ってます。
これもQ&Aにかかれているような副反応と捉え、安静にしていればよいのでしょうか。
30代女性

 

お問い合せ頂き有難うございます。

さて、お問い合せのインフルエンザ予防接種の件ですが、今回のケースも、Q&Aに掲載した事例とほぼ同じとお考え下さい(発熱に関してはそちらをご参照下さい)。

即ち、先に述べたとおり、ワクチン接種後、常に接種部位が腫れるというのは、接種されたインフルエンザワクチンに対して、正当に体が反応して、抗体が産生されていた証です。
換言すれば、この様な腫れは、副反応というよりも、むしろ、正常反応と呼ぶべきでしょう。
但し、腫れが広範囲(肘より末梢、あるいは、肩を越えて体に及ぶ)に及ぶ場合は、注意が必要です。

 

この様な場合は、ワクチンに対する反応が、正常範囲を越えていると捉えるべきで、軽度のアナフィラキシー反応状態にあると、我々は考えます。
従って、この様なケースの場合、抗アレルギー剤の投与(内服、又は、点滴静注)を行う等の、適切な処置が必要となります。
しかしながら、文面を拝見しますと、腫れはそれほどではなさそうなので、その先生の仰るような処置(接種後湿布薬を貼り、入浴を控えれば云々)で十分かと存じます(私個人的には、入浴を控える必要は無いと思います)。

 

余談ですが、毎回、腫れが強度に起こるようでしたら、当院が採用している、チメロサールを除去したワクチンで接種を受ければ宜しいかと存じます。

チメロサールとは、ワクチンを安定化させる物質、即ち、防腐剤の1種ですが、その主成分は、エチル化水銀(水溶性)です。但し、使用量はごく微量であり、しかも、かの有名な水俣病の原因となった、メチル化水銀(脂溶性)のような蓄積性はないとされています。
チメロサールは古くからワクチンの安定剤として用いられています。しかし、1990年代の終わり頃から、国際的には廃止すべきとの意見が主流となってきており、ドイツを中心とした欧州では、数年前に完全にチメロサール除去ワクチンとなりました。

 

日本でも、インフルエンザ以外のワクチンに関しては、数社(阪大微生物研究所製や北里大学製など。両者とも当院で採用)からのワクチンは、既にそうなっております(そうなっていないもの、即ち、チメロサール入りワクチンも、日本には依然として存在し、流通しています)。
但し、チメロサール除去ワクチンの製造及び安定供給が難しいため、インフルエンザワクチンに関しては、まだまだ、チメロサール入りワクチンの方が、日本では主流となっているのです。

私も、以前から、インフルエンザワクチンもチメロサール除去ワクチンに完全移行(まだ数年先になるでしょう)すべきだと考えています。
しかしながら、同ワクチンの供給量が少ないため、やむなく、当院では、当院を定期的に受診される方で、かつ、明らかにアレルギー体質だと、私が把握している方へ優先的に、チメロサール除去ワクチンを接種しております(定期で受診されない方々の場合でも、チメロサール減量ワクチンを使用しています)。

 

インフルエンザ以外のワクチンは、当院では、もちろん、全てチメロサール除去ワクチンを使用しています。
残念ながら、我が国の多くの先生方が、チメロサールが日本の多くのワクチンに使用されている事自体は勿論、それがどういう物質かと言うことすら、ご存じではありません。

以上、来期以降のご参考としていただければ幸いです。