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京都市北区西賀茂榿ノ木町31−2
院長 諸岡 憲(もろおか けん)
  1. 授乳とお薬について

授乳とお薬について

他院で処方される薬の説明用紙に「服用中は授乳を避けてください」とあるオノンについて、不安に思われる方も多いと思います。

結論から申し上げると、オノンを服用しながら授乳してもまず問題はありません。

今回のご質問

以前から気管支喘息があり、他院からオノンというお薬を処方していただいています。現在授乳中(生後2ヶ月児)ですが、最近、また、喘息の発作が出る様になりました。

薬と一緒に頂いている薬の説明用紙に「服用中は授乳を避けてください」とあるのですが、このオノンを服用しても大丈夫でしょうか?  20代・女性

 

薬剤情報の記載内容は、コンピューターの供給会社が、全般的に公表されている情報を、そのまま鵜呑みの形で記載しています。従って、所々、実際とはかけ離れた、多少誇張されすぎた記載(特に副作用について)がしばしば見られ、当院の場合、私が診療の合間に、訂正・加筆する様にしています。

 

私は、薬理学も16年間研究しておりましたので、薬については(少なくとも当院で使用している薬については)人1倍効能も副作用も把握している、と自負しております。私の見解では、今回のオノンについての記載、「服用中は授乳を避けてください」は、過保護すぎるものなのです。


と申しますのも、この記載は、大量に母親が服用(1日1000mg以上)を2週間以上続けた場合、5000万分の1位の確率で、新生児(生後1ヶ月未満)がけいれんを起こすかもしれないと言う動物実験結果に基づいたものです(勿論、この場合、当の母親もオノンの副作用が出現しています)。

また、授乳中に服用して問題となるのは、ホルモン治療薬、糖尿病治療薬、高血圧のお薬、強い解熱鎮痛剤、あるいは、抗ガン剤などの特殊なお薬であり、オノンに限らず、多くの薬剤(抗生剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤等のいわゆる風邪薬)は、授乳中に服用しても、何ら問題はありません。
その理由は、乳汁中に分泌される薬剤量は、乳児に使用して構わない薬剤量(新生児に対しても、オノンや抗生剤は場合によっては使います。下記参照)の約50分の1(最大値で。通常は100分の1以下)以下にしかならないからです。

当院で通常処方するオノンは1日体重1kgあたり8mg以下(体重40kgの場合で280〜320mg)であり、安全域の遙か下のほうとなっていますし、他院でもおそらくその様になっているはずです。

 

そのほか、新生児、特に未熟児は、肺炎・髄膜炎等の感染症(経産道感染等)を来しやすく、重症化することもしばしばです。従って、もし、感染症が疑われた場合、生直後の新生児(未熟児)に対しても、速やかに抗生剤の点滴静注等による治療を感染兆候が認められなくなるまで行う必要があります。

 

結論として、投与量さえ誤らなければ、薬は有用であり、量を間違えば毒にもなると言うことに過ぎません。